最近、こんな記事が話題になっていました。
参考:電通に入るようなエリート層は「降りたら死ぬ」ゲームを生きている – トイアンナのぐだぐだ
「●●●に栄養ドリンクの瓶を突っ込むくらいは女性でもやらされる」(20代、元電通社員)
※伏せ字は筆者編集
このワークライフバランスが叫ばれる平成の世において、まったく時代錯誤と感じられた方が多いのではないでしょうか。とくに先進的リベラリストの多いクエスチョン村界隈ではかなりの衝撃を持って受け止められた模様です。こんな前時代的な企業文化がいまだ生き残っていたのかと。
しかしそれは、まだまだ一部の開明的な企業にのみ通用する話です。いまだ存在している多数の体育会系営業会社では、心を尽くした接待によってクライアントを喜ばせるのは営業マンとして必須の心得であると考えられています。
冒頭に挙げたような過激な接待、宴会芸が必要かと問われれば、筆者もNoと答えますが、いわゆる「飲みニケーション」全般を否定する昨今の風潮にも疑問を感じます。
美味しい食事とお酒は、人の心を和ませるもの。接待や会食の場を通じて、顧客との関係が深まるシーンは少なくありません。個人の経験に基づくものではありますが、仕事がデキる人は接待も見事にこなしていたことが多いと感じています。通常業務で気を配れる人は、夜のおもてなしでも優れたパフォーマンスを発揮するというわけです。
最近はあまり励行されないこともあり、若い社員のなかには、接待に慣れていない人もいるのではないでしょうか。そこで今回は、接待慣れしていない人が最低限知っておきたい接待の基本マナーをご紹介します。
店選びは相手の好みを考えて
接待は、学生時代の飲み会とはわけが違います。どちらかと言うと、気になる子とのお食事デートのほうが近いと言えるでしょう。気を引くために、あなたはどんな準備をしますか?
デートなら、まずは相手の好みを考えた店選びをしますよね。生ものが苦手な相手なのに、寿司屋を選ぶのは致命的です。そして、家から極端に遠い場所も問題があります。お客様の好きなもの、苦手なもの、勤務先から自宅までの沿線をリサーチし、お店選びをしましょう。
また、スムーズな誘導ができるよう、下見を済ませておくのも大事です。
コース料理を選んでおくのが基本
アラカルトで予約してしまうと、幹事が注文を尋ねるのに奔走しなければならいことになる場合があります。そのつど話の腰を折ってしまうのも避けたいものです。予約時には予算を考えてコース決めをし、当日はドリンクの注文だけを尋ねれば済むようにしておきましょう。
上座と下座を理解して
出入り口から遠いほうが上座で、お客様が座るべき席です。出入り口に近い席が下座で、自分が座る席です。この基本を覚えましょう。
ただし、和室の場合は気をつけなければならないことがあります。床の間があれば、その前の席が最も上座になるからです。サッと誘導できるよう、下見の際にチェックしておきたいものですね。
相手に合わせて、1杯目はできればアルコールを
お酒は雰囲気をぐっと盛り上げてくれる、宴席の味方です。普段は飲まないという人も、全くの下戸でなければ1杯目はお客様と同じものを注文し、乾杯だけでもおつきあいしましょう。
もちろん、全く飲めないのに無理に飲む必要はありません。体調が悪くなってしまっては台なしです。「ご迷惑をおかけしてしまうかもしれないので、お酒はやめておきます」と正直に話しましょう。そのうえで、「でも、こういう席なら水で程よく酔えてしまいます!」と、この場を楽しむ意思があることを伝えるのが重要です。
食事に箸をつけるのは、お客様のあと
どんなに美味しそうな食事が運ばれてきても、お客様より先に箸をつけてはいけません。お客様がなかなか箸をつけずにいたら、「ここの○○は美味しいと評判なんですよ」などと言ってすすめましょう。お客様が一口食べ、感想をいただいてから、自分も箸をつけるようにしましょう。
会話ネタをいくつも用意しておく
和やかな雰囲気を持続させるためには、楽しい会話が不可欠です。会話に窮し、黙り込むシーンがあっては興ざめしてしまいます。あらかじめ相手の趣味や興味を持っていることをリサーチし、会話のネタを溜めておきましょう。
また、相手が歌の好きな人であれば、会話の隙間を埋めるためにカラオケの時間を設けるのもありです。一緒に接待へ出かける上司と打ち合わせし、1人1曲から2曲程度を準備しておくと困りません。
話し上手より聞き上手
お客様の趣味が偶然にも自分と一致していたら、ついつい熱中して話し込んでしまいがちですが、これには注意が必要です。自分ばかりが話してしまわないよう、基本的には聞き上手に徹しましょう。「また会って話したい」と思ってもらえるためのポイントです。
精算はさりげなく
お開きの時間が近づいたら、会話をつなぐのは上司など他の社員に任せ、幹事は速やかに会計へ出向きます。席会計のお店は多いでしょうが、その場合でもなるべく部屋の入口あたりまで出ていき、お客様に現金のやり取りを見せないようにします。
精算の際、もしタクシーがなかなか通らないような路地にお店がある場合は、帰りのタクシーも呼んでしまいましょう。お開きを伝えたにもかかわらず、なかなかお店を出るタイミングがはかれない場合に便利です。「お車が来ました」と言うだけで、帰宅モードになります。
まとめ
接待には心配りが不可欠です。店選びから会計まで、相手への思いやりに満ちた行動ができれば、「自分を大切に思ってくれているのだな」と、お客様にも熱心さが伝わりますよ。行き届いた接待で、ビジネスチャンスをつくりだしましょう!