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2016-11-07

PMS


「PMS」とはPost Marketing Surveillanceの略で、医薬品が販売された後に行われる品質や安全性の調査のことで、「市販後調査」と邦訳されています。
いうなれば、新薬を市販後に副作用などの問題がないかを調査する仕事のことです。
新薬が販売されると、販売前の臨床試験では得られなかったデータ収集のために、GPSP(製造販売後調査・試験の実施の基準)に基づく製造販売後調査が行われます。
その際に、医薬品に副作用などの問題がないかを確認するために、GVP(製造販売後安全管理の基準)に基づく安全性確保業務が行われます。

また、製造販売後臨床試験もPMSの中のひとつです。
実際の医療現場では、新薬が治験の想定とは違った状況で使用されることもあるため、治験では分からなかった効能や副作用が発生する場合があります。
それをチェックするために、市販後も継続的に効能や副作用について調査が行われ、その結果を厚生労働省に報告して再び審査が行われます。

臨床試験と医療現場の違い

医薬品を製造販売する際の承認に関するデータは、限られた条件下で実施された臨床試験から取得したものです。
そのため、実際の医療の現場とはいろいろな違いがあります。

まず、臨床試験のデータは、症例数が少ないことが挙げられます。
また、実際の患者は併用薬を飲んでいることが多く、そういった検査は臨床試験では十分に満たしているとはいえません。
さらに、投与期間が短く、しかも専門医の監視のもとで投与されているために、実際の患者の服用と同じではないなどの点で差異があります。

したがって、市販後多数の患者が服用する場合に想定される、副作用などの予防としては十分とはいえません。
このため、臨床検査では扱わない小児や高齢者、妊産婦や肝機能障害、腎機能障害を患う患者などの情報を収集することが必要となってきます。
このため市販後調査が導入され、副作用などの調査が行われるようになったのです。

PMSの将来性

PMSの業務は、今後もなくなることはなく、むしろますます需要が高まっていくものと考えられます。
PMSには、それぞれの疾患についての深い専門知識と経験が要求されます。
また、製薬メーカーでは海外の情報を収集したり分析したりするため、ハイレベルな英語力が必要となります。