「薬価基準」とは、社会保険で医療機関を受診する際に、医療機関が保険者に請求する薬剤報酬を算定する基準価格と薬の種類のことをいいます。
厚生労働省が薬価調査をして、毎年改定します。
日本の医療はほとんどが保険対象のため、薬価基準は製薬会社、医師、患者に大きな影響を与えます。
薬価基準では、保険診療で使用する医薬品の規格・単位・薬価を品目ごとにすべて示しています。
薬価の単位は点数で記載されており、医薬品を使う際に「1点=10円」で計算され、1万7千品目以上の医薬品が掲載されています。
薬価基準は日本医療の基礎
医療用医薬品は、製造承認を取得すると、公的医療保険の適用を受けるために薬価基準への収載手続きを行います。
製薬会社は申請書類を厚生労働省に提出し、保険局で薬価基準が決定されると官報で告示されます。
薬価基準は、原則として販売名別に掲載されます。
そのため、化学組成を示す一般名が同じでも、販売名が違うと別品目として掲載されることになります。
例外として、日本薬局方に記載されている医薬品や、ワクチンなどの生物学的製剤、生薬などは一般名が掲載されます。
基本的に、薬価基準は2年に1度の頻度で改定されます。
ただし、以下の条件に当てはまる場合は、薬価は再算定されます。
・後発医薬品が薬価基準に掲載された場合(先発品の薬価が引き下げられる)
・医薬品の販売量が、発売当初の予定を大幅に上回った場合
・医薬品の主な効能・効果や用法・用量に変更があった場合
・設定された薬価が低額であることが理由で、継続して製造していくことが困難な場合
新規収載医薬品の薬価算定
新薬の薬価算定には、「類似薬効比較方式」が用いられます。
市場の公正な価格競争を確保するために、類似医薬品の旧薬価に合わせる方式です。
一方、後発医薬品は、初めて収載される場合は原則として先発医薬品の70%の価格とされます。
もしすでに他の後発医薬品が収載されていれば、それらの中で最低価格のものと同価格とされるのが一般的な薬価算定の方法です。