「今後、MRとして医療の世界で働きたい」と考える人は多いものです。医師や薬剤師、歯科医は国家試験に合格する必要がありますが、MRは製薬企業に入社して研修を終了し、MR認定試験をパスすることで未経験でも飛び込むことが出来る世界です。 しかも高収入ということもあり、それも人気を支える要因の1つです。では、MRという仕事に将来性はあるのでしょうか?今後の展望を少し紹介します。
少子高齢化
少子高齢化によって、社会保障費(主に高齢者の医療費)は毎年のように膨らみ続けています。つまり医薬品の需要が途切れることはないということです。 その意味では将来も安泰と思ってしまいそうですが、一概にそうとも言えない事情があります。
需要以上にライバルが増えたら?
上記の通り、少子高齢化で医薬品の需要が途切れることはないでしょう。一般的に高齢者の方が多くの医薬品を必要としますので、需要面で心配する必要はないと思います。 しかし、その需要を上回るライバルが出現したらどうでしょうか? 前述のように、MRは医師免許がなくても就ける仕事です。そのために人気となっているのですが、現在、大学の薬学部を卒業した人や薬剤師などもMR認定証を受験する傾向にあります。 理由はいくつかありますが、たとえば「医学部や薬学部を卒業したものの、国家試験に合格することは出来なかった。そこで、とりあえずMR認定試験から取得する」という方も増えています。 そのような方がMRとして製薬企業に就職すれば、それだけでライバルが増えることになります。さらに「国家資格は取得したものの、薬剤師としての就職口がない」という方も多く、そのような方も将来的なライバルになり得ます。 この傾向は、2004年から始まった「私学での薬学部設立」が大きく関係しています。結果、薬学部を志望する学生が増え、その一部がMRの世界にライバルとして流れ込んできているというわけです。 しかしMRは、医師や薬剤師と協力して適切な医薬品を患者さんに提供する大切な仕事です。一種の社会貢献とも言えるでしょう。つまり将来性だけを見るのではなく、「自分は本当にMRになりたいのか?」を自問自答して、自分の答えに素直になれば良いのではないでしょうか?