営業マンが話し下手では、商品の魅力を十分に伝えることができません。しかし、だからといって何もせず、急に話し上手になることはありえません。
そこで今回は、話し上手が実践している会話のコツをご紹介します。興味をどんどん惹きつける話し方を習得して、素晴らしい薬をたくさんの患者さんのもとへ届けましょう。
コツその1 話し方のロールモデルを決める
「口調はゆっくりと」「姿勢は正して」「明るく、自信に満ちた口調で」などなど、多くの営業ノウハウ本にはさまざまなポイントが掲載されています。しかし、一つひとつに気をつけながら話すことは難しいものです。
そんなときに簡単なのが、「テレビで好印象の、あの人をロールモデルにしよう」と決めてしまうことです。話し上手な司会や役者の口調としぐさを、そっくりそのまま真似てみましょう。実際に真似をしているうちに、どんな態度と口調が人の心をつかむのかが分かってくると思います。
コツその2 つかみは共通の話題で
人はどうして話のつかみに天気の話題を選ぶのでしょうか。「晴れ」「曇り」「暑い」「寒い」などは、そこにいれば誰でも同様に感じることであり、受け答えがしやすいからです。
いきなり本題から入るのではなく、天気やその日のビッグニュースなど、共通して知っていることから話を始めれば、それが潤滑油となって次の話題に移行しやすくなります。
コツその3 先に結論を言う
何が言いたいか分からない話を長々と聞くのは苦痛ですよね。それがプレゼンであればなおさらです。もし話が長くなってしまいそうだなと感じるときは、いっそのこと初めにズバッと結論を言いましょう。それが思いがけないものであるほど、「どうしてそうなるのか、もっと話を聴いてみたい」と相手に思わせることができます。
話の内容に興味を持たせるために、最も効果的で最も実践しやすい方法です。
コツその4 説明は極限まで手短に
結論を先に言ったからといって、説明があまりに長すぎると、相手の興味はだんだんそれていってしまいます。パンフレットをよく読めば分かるような細かい点はさておいて、具体的で短い表現を心がけながら説明しましょう。
そもそも、プレゼンは少し言葉が足りないくらいでちょうどよいのです。メリットを端的にまとめ、トラブルにならない程度に言葉を添えればじゅうぶんでしょう。足りない点は、相手が質問してくれます。質問に答えていれば、自然にそれは会話となっていきますよ。
コツその5 ひたすら相手を主体にする
話の初めで「この薬の特徴は」と言われるより、「患者と病院にとって、この薬は」と言われた方が、がぜん聞く気になりませんか?売り上げの数字に気をとられていると忘れがちですが、商品は相手にメリットがあるからこそすすめるものです。
プレゼンの間は、その商品がお客様にとってどのように役に立つのかという視点から離れてはなりません。「どうか買ってください」ではなく、「これがあなたにピッタリです」という態度を貫きましょう。
コツその6 具体的な質問をする
「もしや○○でお困りではないですか?この商品は、その悩みを解決しますよ」と具体的な質問をしてみるのも一つの手です。質問は、相手を会話の当事者にする効果的な方法となっています。具体的で答えやすい質問をどんどん投げかけましょう。
コツその7 締めは明るく爽やかに
どんなに望みのない結果になったとしても、プレゼンの最後は「貴重なお時間をありがとうございました」と笑顔でまとめましょう。別れ際の印象は次回につながります。もしも暗い顔で、挨拶もそこそこに辞してしまったら、相手にマイナスの印象がずっと残ってしまいます。
去り際を爽やかに決められるかどうかが、次のアポイントに影響してきます。少なくとも「また会ってもいい」と思ってもらえるような挨拶を心がけましょう。締めを明るく振る舞えば、自分の心もスッキリするはずですよ。
まとめ
テレビで話し上手なあの人を思い浮かべて口調やしぐさを真似るのが、話し上手への第一歩です。そして「営業はつかみと締めが重要」と肝に銘じましょう。どんなに素晴らしい製品でも、そのものをPRするのではなく、お客様にとってどれほど有用かを説明しなければなりません。さらに質問をまじえたプレゼンで、相手を会話に引きこみます。
あなたにとって、その商品は「売れるか、売れないか」。しかし相手にとっては「買うか、買わないか」です。自分が日々どんなものをどんな理由で買っているかをチェックするのも、営業のヒントにつながるでしょう。