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MR転職マガジン > コラム > 二重盲検試験

2016-11-07

二重盲検試験


「二重盲検試験」について解説するには、まず盲検について説明しなければなりません。
盲検とは、あるものと別のものを同じように扱って、違いを見つける検証法です。
あるものと別のものを同じように扱いたいのは、どのような場合かといいますと、「あるものと別のものが違うものだ」ということを証明する場合に必要になってきます。

あるものと別のもの(AとB)が同じものだという前提で同じ処理をしたのに、違う結果が現れた場合は、AとBが同じであるという前提が間違っていたことになります。
その結果として、AとBは違うものだと証明できるわけです。
このような証明手法を盲検と呼びますが、盲検にはさらに単盲検試験と二重盲検試験の2通りあります。

単盲検試験と二重盲検試験の違い

医薬品の効果を証明するには、それが本当に医薬品の効果なのか、それともプラシーボ効果なのかを見分けなければなりません。
そのためには、本物の薬と偽物を被治験者に与えればいいのですが、心理的な問題で、本物か偽物かどちらかが与えられていると分かっただけで、治療効果に差が出る可能性があります。
このような可能性を排除しないと、正しい試験結果は得られません。

医薬品の価値は薬効成分の効果にありますが、それ以外の情報でわずかでも差異が生じる可能性があると、その効果の原因を有効成分だけに帰結することができなくなってしまいます。
そのため、誰が本当の被検薬を与えられ、誰が偽薬を与えられたかを知らせないことが重要となります。
このような試験法を単盲検法と呼びます。
しかし、これではまだ十分とはいえません。

臨床試験で医師や看護師が被治験者に薬を投与する場合、医師や看護師が心の中で「この人には偽薬を(または本物を)」と思ったことが表情に出るために、被治験者に知られてしまう可能性があります。
また、治療効果を見た医師が、「偽薬を与えたのだから効くはずがない」などと思ったことがわずかでも判定を(無意識的に)ゆがめてしまうかもしれません。
これを防ぐには、臨床試験に参加するすべての人に、被検薬と偽薬の情報を知られないようにしなければなりません。
この試験方法を二重盲検試験と呼びます。