ジェネリック医薬品の現状
ジェネリック医薬品は、医薬品の有効成分の特許(物質特許)が切れた後、他の製薬会社が同じ有効成分で製造・供給する、別名後発医薬品とも呼ばれる医薬品のことです。
同じ有効成分の医薬品でも、ジェネリック医薬品は複数あり、商品名は製薬会社によって異なります。
アメリカ合衆国、ドイツ、イギリス、フランスなどの先進国では広まっていますが、日本での普及率は2013年の時点で43.1%にとどまっているのが現状です。
しかしながら、少子高齢化にともない、医療費(社会保障費)抑制のため、厚生労働省の主導により普及が促進されており、中小の製薬会社もジェネリック医薬品の生産を積極的に行っています。
ジェネリック医薬品のメリットは
ジェネリック医薬品は、研究開発の費用や審査等の各種手続きなどにかかるコストを抑えられるので、国が価格を新薬の約2~7割に設定しています。
このため低価格で購入でき、糖尿病や高血圧などで長期間薬を飲み続けなければいけない人に対する自己負担も軽減されます。
また、ジェネリック医薬品は、対象の医薬品の改良版であることから、発売後に開発・蓄積された新しい技術を用いて、形や味、大きさ、服用のしやすさ、使用感などが改良されています。
例えば、錠剤や粉薬で飲みにくかったものが、水を含むとすぐに溶けるものに改良されたり、苦味をマスキングしたり、飲みやすい小さな形状にするなど、様々な改良が施されています。
ジェネリック医薬品のデメリットは
薬の特許は、物質特許にも、製法特許、製剤特許などがあり、例えば製法特許の有効期間が残っていれば、薬のコーティング部分に使われる添加物などを先発医薬品と同様に用いることはできません。
また、製剤特許が残っていれば、錠剤・カプセル・粉末などの薬の剤形も、先発医薬品と同じにはできません。
このため、飲み薬で主成分が同じでも、製法・製剤の方法が変わることで、薬が吸収される速度や、有効成分が分解される状態が異なり、薬の作用が変わってしまう可能性があります。
ジェネリック医薬品には、こうしたデメリットがあるのも知っておくことです。