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MR転職マガジン > 転職お役立ち > CRA(臨床開発モニター)の必要経験・スキル、年収・仕事内容

2016-07-25

CRA(臨床開発モニター)の必要経験・スキル、年収・仕事内容


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MRの転職先として、治験で活躍するCRAという選択肢も考えられます。CRAについては、身近な職種でありながら、なかなかその仕事の全体像をつかみきれないと感じている人もいることでしょう。CRAの仕事内容や年収、スキルについて説明します。

CRA(臨床開発モニター)とは

臨床開発モニターは、CRAという略称で呼ばれ、英語ではClinical Research Associateと表記されます。CROや製薬メーカーに属し、治験におけるモニタリング業務を行うのが、その主な仕事です。

CRAは、第三者の立場から治験が適切に行われているかをチェックし、臨床データをまとめます。また、医療機関と製薬会社とが情報交換をする際の架け橋となるのも、重要な仕事の一つです。

治験は新薬が誕生する、まさにその現場であるといえます。被験者の記録を間近に見て、新薬誕生のプロセスにリアルに立ち会えることは、薬にまつわる仕事をしている者にとって最上の喜びといっていいでしょう。

CRAの具体的な仕事内容

CRAの仕事の特徴は、治験のかなりの部分に係わる職種でありながら、医療機関側でも製薬企業側でもないという点です。CRA自体が製薬企業の一部署であることももちろんありますが、基本的には中立的な立場でモニタリングを行います。

治験前には、医療機関が治験を行うにあたり適格と判断されるか、責任医師が治験基準に合致しているかなどの調査を行います。また、治験審査委員会であるIRBについても、運営要件に従っているかをチェックします。

治験契約時には契約書を作成し、契約が無事取り交わされれば、治験薬を配布します。そして医療機関に向けた治験の説明会を行い、医療機関や看護師、薬剤師といったスタッフたちと打ち合わせをすることになります。

治験が始まれば、いよいよモニタリング業務の開始です。被験者一人ひとりの検査データをチェックして、基準を満たしているかどうかを確認します。症例報告書を確認し、自らのモニタリング報告書を作成すれば、仕事の8割は完了です。

治験後は、被験者に有害事象が生じればIRBと各スタッフへ報告し、因果関係の特定に努めます。最後に、治験薬や文書関係の回収を行い、次へ向けて反省会などを行えば終了です。

CRAの年収

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CRAの年収は、例えばMRでの経験しかなく、その経験もまだ浅いのであれば400万円から450万円といった待遇からのスタートとなります。ただし英語のスキルや医療系の資格を持っていたり、MRの経験が長くベテランと認められたりすれば、500万円からのスタートとなることもあるでしょう。

モニタリングのマネジメント業務ができるようになると、年収は500万円、600万円とアップしていきます。また、役職者となったり部下を持ったりするようになれば、さらに年収はアップし、1000万円を超えることもあります。

営業職のカテゴリーでみれば最も年収が多い職種の一つであるMRと比べれば、年収が頭打ちとなる時期は少し早めで、金額も少なめかもしれません。しかし、MRほどの激務ではなく、休日が確保され転勤が少ないことを考えれば、とくに出産を控えた女性などにとっては良い選択といえます。

CRAの必要経験とスキル

MRの経験があれば、CRAとして未経験であっても応募することは可能です。MRでなくても理系のバックグラウンドは必須で、正看護師、臨床検査技師、薬剤師などといった医療系資格を持っている人はより有利といえます。

グローバル治験を担当する機会もある以上、英語のプロトコルを正確に読み込めるような英語力は絶対に必要です。会社によっては、TOEICの基準点を設けているところもあります。

また、MRとして活躍してきたならば問題はないと思われますが、一定水準以上のコミュニケーション能力は身に着けていた方が良いでしょう。治験中はCRAが医療機関と製薬会社を結ぶ唯一の情報ラインとなります。新薬をつくるための治験という業務の性格上、行き違いは許されません。正確に情報交換ができる意思疎通能力が必要になってきます。

会社によっては多忙を極めるCRAもいますが、全般的にみると、超がつくほどの激務は珍しいでしょう。ただ、ときに説明会などで土日出勤もあり、地方への説明のために出張しなければならないことは押さえておいた方が良さそうです。