どれだけ熟練したMRであっても、初対面の先生とアポイントと取るのは常に難しいものです。まだ経験の浅いMRであればなおさらのこと。
アポをがんがん取れて、営業もすいすい進む魔法の薬はありませんが、気を付けておくべき点やちょっとしたコツを知ることは可能です。
今回は、先生とアポイントメントを取り、実際に面会を行う際までのに知っておくと良いコツを、3ステップで紹介致します。
1.先生とアポを取る:電話・メール・手紙
初対面の先生とアポイントを取るためには、電話か直接訪問するのが基本です。ただ、なんの面識もないのにいきなり先生と話そうとするのは無理があり、受付の方や、大きい病院であればしかるべき部署に挨拶に行きましょう。
電話口で多忙を理由に断られた場合はメールや手紙、徐々に間接的な方法に移行していきます。何の反応も得られない場合は、強引に押さないようにして、しばらく期間を置いてからもう一度当たるようにしてください。
いざ、アポイントメントについて話せる段階に入ったら、気を付けなくてはいけないのは以下の4つ。
訪問目的を具体的に伝える
あなたと面会を持つことで、どのようなメリットがあるのかを具体的に伝えるように心がけましょう。先生を含めた病院関係者はかなり多忙で、出来る限り無駄な時間を省きたいと考えていることを忘れないようにしてください。
希望日時を明確に伝える
“水曜日”や“今週のどこか”で、などの曖昧な提案は禁物です。 事前に診療時間を把握し、どの時間なら割いてもらえそうなのかを考えたうえで、“6月23日木曜日の午前診療後”などと明確に希望日時を伝えるように心がけてください。
別の候補日を用意しておく
MRの面談の第一希望日時にすんなりと頷いてくれる先生は少ないです。日時を変えてほしいと言われた場合に、すぐに候補日を提供できるようにしておき、それでもダメな場合は先生の希望日を訊くようにしてください。
しっかりとお礼を伝える
晴れてアポイントメントをもらえたら、誠意を込めてお礼を伝えるようにしましょう。信頼関係の構築は、この時点からすでに始まっています。
2.病院を訪れる:常に患者さんに心遣いを
無事にアポイントメントを取ることが出来、あなたは病院にやってきました。 しかし、絶対に忘れてはならないのが、病院は患者さんのためであるということ。MRのために考えられて設計されたわけでもサービスが提供されているわけでもありません。
MRが患者さんではないことは、誰の目から見ても格好で明らかです。 駐車場では患者さんの迷惑にならないよう、出来るだけ遠いところに車を止めるようにしましょう。徐行は基本中の基本です。
待合室が混んでいる場合、MRは座るべきではありません。また、雑誌や漫画を手に取って読んだり、資料を取り出して患者さんを不安にさせるようなことはしないようにしましょう。
また、院内を走ることは言語道断ですが、せわしない行動や、傲慢に思われる行動は控えましょう。エレベーターは患者さんのためのものですので、よほど高い階に向かうというのでなければ階段を利用するよう心がけてください。
3.先生と面談をする:
いよいよ面談の日がやってきました。 気を付けるべき点をおさらいしておきましょう。
ノック、挨拶は基本
先生の部屋に入る前にはしっかりノック。周りには患者さんもいるはずなので、外から大きな声であいさつするのは控えましょう。 お辞儀をし、初対面であれば近づいて名刺を渡しましょう。
座る位置に気を付けて
ここからは営業のテクニックの話にもなりますが、真正面に対峙して座ることは避けましょう。圧迫感を与えてしまい、雰囲気を崩してしまいます。 出来るだけ斜めの位置(前でも後ろでも)につき、そこから資料等の説明をするようにしてください。
周りへの配慮を
どれだけ話が盛り上がっても、どれだけ熱意に溢れていても、周りにはほかの医師や関係者の方、時には患者さんがいることもあることを忘れてはいけません。 会話の内容や言葉遣いの端々にまで細かな注意を向け、誰に聞かれても困らないように話しましょう。
一筋縄ではいかないから、準備と経験を
どれだけ知識を詰め込んで、頭の中で練習しても、常に同じ流れの営業が出来ることはありません。予期せぬ事態が起こることもありますし、失態を犯してしまうこともあります。
様々な先生とアポイントメントを取り、面談を重ね、常に事前準備を怠らず、経験を積んでいけば、多様な状況に対応できるMRとしてのあなたを発見できるはずです。