ブロックバスターの定義は
ブロックバスターとは、従来の治療体系を覆すほどの効果があり、全く新しい市場を開拓したり、圧倒的なシェアを持つことで収益を上げ、開発費を回収する以上の利益を生み出す新薬のことです。
主に、新薬ひとつで年商10億ドル(約1000億円)を超えるような新薬を指して言うことが多く、欧州委員会でもこの立場を取っています。
特にアメリカの製薬企業が開発に注力している分野です。
ボストン・コンサルティング・グループは、ピーク時、世界での年間売上げ高が5億ドル以上の医薬品がブロックバスターと呼ばれると定義しています。
代表例は以下の新薬たちです。
アトルバスタチンは、脂質異常症(高脂血症)のための薬で、かつては世界一の売り上げを誇っていた薬です。
このほか、抗血薬治療薬のバルサルタンや、抗血小板薬のクロピドグレル、抗喘息薬のセレタイド、腎性貧血薬のエリスロポエチンなどがあります。
ブロックバスターにはどんな製品があるのでしょうか
世界的な大ブームを引き起こした、ED治療薬のバイアグラもブロックバスターのひとつです。
日本で販売されている薬にも、ブロックバスターと呼ばれるものはいくつかあります。
2012年の時点で、日本の製薬会社が開発したブロックバスターとしては、世界初のアルツハイマー型認知症治療薬のドネペジルや、糖尿病治療薬のピオグリタゾン、脂質異常症(高脂血症)治療薬のロバスタチンなどです。
ブロックバスターの今後は
ブロックバスターは、これまで大手製薬会社をけん引してきた存在ですが、次々と特許満了を迎えています。
日本国内でもブロックバスターのジェネリック医薬品が発売され始めました。
これにともない、ブロックバスター開発はバイオ医薬品や抗体医薬品へシフトされようとしています。
なぜなら、バイオ医薬品や抗体医薬品は製造に莫大な設備や細かな規則があるため、特許が切れたとしても簡単にはジェネリックを製造できるようなものではないからです。
このため、今後的にブロックバスターのバイオ医薬品化傾向が続くものと見られています。